参考資料について

ソーラーシェアリングとは
ソーラーシェアリング

耕作地に地上から3mの位置に藤棚の様に架台を設置し、短冊状の太陽光パネルに幅を持たせて並べ、営農を続けながら太陽光発電を行うことです。作物にとって一定の光以上の太陽光は光合成に利用されず(光飽和点)、強い光は作物にとってかえってストレスとなります。また、遮光率は30%程度のもので作物の生育に支障がない様に考えられています。このソーラーシェアリングは日本の農業が抱えている農業従事者の高齢化、農家の跡継ぎ不足、耕作放棄地などの諸問題を解決する可能性を持っています。

導入にあたっては

  • 架台の支柱部分を転用とみなし農業委員会の許可無しでは導入不可となる。
  • 転用は一時転用扱いとして導入計画により許可し、3年ごとに審査し見直す。
  • 営農の継続が担保されるとともに、作物の生産に支障がない遮光率で作業車の利用可能な空間が確保されている事。
  • 支柱は簡易な構造で、技術的・経済的に撤去が担保された計画である事。とされています。

ほとんどの生物は太陽光が過剰な場合の対処として、水分を蒸散して体温を下げています。言い換えれば太陽光は生物にとって過剰なのです。植物の光合成と光の強さの関係特性においては、各作物には一定の光の強さ以上の光は光合成量の増大にほとんど貢献できないことがわかります。この光合成量がほぼ一定になる光の強さをその植物の光飽和点と呼びます。(例外としてサトウキビやトウモロコシのように飽和点を持たない植物もあります)この光飽和点の特性により耕作地や牧草地の剰余の光線から、農産・畜産物とともに電力をも得る方法、すなわち「ソーラーシェアリング」の考え方によって、太陽光発電には大面積が必要であるという最大の問題点が解決できる見通しが立ちました。

ソーラーシェアリング
ソーラーシェアリング
環境価値とは

環境価値とは「CO2を排出しない」ということに付与される価値のことを言います。

そもそも再生可能エネルギーには
①電気そのものに与えられる価値
②CO2の削減に寄与することで与えられる価値

の二つの価値があり、このうち②のことを「環境価値」と呼びます。
この環境価値を売買する仕組みが日本では構築されており、J-クレジット・グリーン電力証書・非化石証書の3つが日本で売買できる再エネ価値となっている。

【 J-クレジット】
省エネルギー機器の導入や再生可能エネルギーの導入、森林経営などの取り組みでの温室効果ガスの削減量や吸収量をクレジットとして認証する制度です。J-クレジット制度は「国内クレジット制度」と「オフセット・クレジット(J-VER)制度」が統合されたもので、国の認証を受けた団体は発行されたJ-クレジットをほかの企業や自治体などに販売することができます。

【取引方法としては】
● J-クレジット・プロバイダー等による仲介
●「売り出しクレジット一覧」掲載クレジットの購入
● J-クレジット制度事務局が実施する入札販売での購入
の3つが挙げられます。

【グリーン電力証書】
再生可能エネルギーにより発電された電気の環境価値を第三者認証機関の認証を得て証書化し市場で取引を行う制度です。取引方法としては証書発行事業者からの購入のみとなっており、証書発行事業者からグリーン電力証書を購入し通常の電力料金に環境付加価値分を上乗せして支払います。

【非化石証書】
非化石電源(再生可能エネルギー・原子力発電)から発電された電気の非化石価値を切り離して非化石価値取引市場で取引をする制度です。非化石証書にはFIT電源で発電された「FIT非化石証書」、大型水力や原子力、FIT期間が終了した電源で発電された「非FIT非化石証書」の2つがあります。特徴として化石証書は小売電気事業者しか購入することが出来ません。

PPAモデルとは

初期投資0円で発電設備を設置しその電気を利用することで​
電気料金とCO2排出を削減することができます

PPA(Power Purchase Agreement)とは電力販売契約という意味で第三者モデルともよばれてます。企業・自治体が保有する施設の屋根や遊休地を事業者が借り、無償で発電設備を設置し、発電した電気を企業・自治体が施設で使うことで、電気料⾦とCO2排出の削減ができます。設備の所有は第三者(事業者または別の出資者)が持つ形となりますので、資産保有をすることなく再エネ利用が実現できます。​
※環境省WEBサイトより引用

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、気温上昇の主な原因である温室効果ガスの排出を極力抑えつつ、出てしまった分に関しては同じ量を吸収・除去することで、排出量を実質的にゼロ(正味ゼロ・ネットゼロ)にすることです。「カーボン」は炭素、「ニュートラル」は中立を意味し、「脱炭素」「カーボンゼロ」とも言います。2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。※環境省WEBサイトより引用

カーボンニュートラル図解

「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」※から、植林、森林管理などによる「吸収量」※ を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
※ここでの温室効果ガスの「排出量」「吸収量」とは、いずれも人為的なものを指します。カーボンニュートラルの達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減 並びに 吸収作用の保全及び強化をする必要があります。※環境省WEBサイトより引用

地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、2015年にパリ協定が採択され、世界共通の長期目標として世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること(2℃目標)

今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること等を合意しました。この実現に向けて、世界が取組を進めており、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げているところです。

なぜカーボンニュートラルを目指すのか

気候危機を回避するため、いまから取り組む必要があります世界の平均気温は2017年時点で、工業化以前(1850~1900年)と比べ、既に約1℃上昇したことが示されています。このままの状況が続けば、更なる気温上昇が予測されています。

日本の平均気温の変化:1900年から2020年までの各年の平均気温を、1991年から2020年までの平均気温からの差として示したグラフ(※出展:気象庁HP)

近年、国内外で様々な気象災害が発生しています。個々の気象災害と気候変動問題との関係を明らかにすることは容易ではありませんが、気候変動に伴い、今後、豪雨や猛暑のリスクが更に高まることが予想されています。日本においても、農林水産業、水資源、自然生態系、自然災害、健康、産業・経済活動等への影響が出ると指摘されています。こうした状況は、もはや単なる「気候変動」ではなく、私たち人類や全ての生き物にとっての生存基盤を揺るがす「気候危機」とも言われています。

気候変動の原因となっている温室効果ガスは、経済活動・日常生活に伴い排出されています。国民一人ひとりの衣食住や移動といったライフスタイルに起因する温室効果ガスが我が国全体の排出量の約6割を占めるという分析もあり、国や自治体、事業者だけの問題ではありません。カーボンニュートラルの実現に向けて、誰もが無関係ではなく、あらゆる主体が取り組む必要があります。将来の世代も安心して暮らせる、持続可能な経済社会をつくるため、今から、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて、取り組む必要があります。(環境省HP抜粋参照)