固定価格買取制度(改正FIT法)により太陽光発電所は急速に拡大し、日本の再生可能エネルギー(再エネ)比率の上昇に貢献していました。 しかし近年、固定価格買取制度(改正FIT法)の買取期間満了や、再エネ賦課金による国民負担などさまざまな問題により、「非FIT太陽光電所」が注目されています。非FIT太陽光発電所とは、「固定価格買取制度(改正FIT法)に頼らない太陽光発電所」のことです。従来までの一般的な太陽光発電所で発電された電気は、固定価格買取制度(改正FIT法)に認定される必要がありました。そして発電した電気は、国が指定する買取価格で一定期間電力会社が買い取らなければなりません。電力会社が買い取る金額の一部は国が負担するものの、残った分は「再エネ賦課金」として、電気使用者であるすべての国民が負担する必要がありました。従って、発電所が保有する環境価値が国や国民に付与されるという考え方から、発電した電気を100%再生可能エネルギー由来の電気として認めることができません。
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しかし、非FIT太陽光発電所から発電された電気は、国や国民が買い取る義務がありません。そのため、電気の供給先にも環境価値を付与することとなり、100%再生可能エネルギーの電気と認めることが可能です。
2021年地球温暖化対策推進本部の会合にて政府は「2030年における温室効果ガスの削減目標を、2013年度と比較して46%の削減を目指す」としました。2030年度以降は、50%の削減も挑戦すると強調しています。
これにより、100%再生可能エネルギーの導入は、より重要視されたことから非FIT太陽光発電所も注目されています。
FIT太陽光発電所から発電された電気は電力会社で買い取る義務がありますが、一方で非FIT発電所から発電された電気はそういった義務が生じません。従って、環境価値は非FIT太陽光発電所だけでなく、電力の供給先にも付与されることとなります。 また、非FIT太陽光発電所の普及が進むことで、環境価値証書の利用も削減可能です。そのため、再生可能エネルギーの導入拡大や脱炭素社会への実現を推進できます。
非FIT太陽光発電所が普及することで、計画的な電力を安定的に調達でき、市場価格のリスクヘッジができます。
非FIT太陽光発電所から発電された電気は、発電所・供給先ともに環境価値を付与するととなり、100%再生可能エネルギーの電気と認められます。例えば自社で非FIT太陽光発電を所有し発電すれば、購入する電力量を削減できるだけでなく、環境対策にも繋がります。また、「環境対策に取り組む企業」として企業イメージの向上も狙えるでしょう。
非FIT発電は100%再生可能エネルギー
電気と環境価値とを融合した非FIT発電所
FIT法は再生可能エネルギーの導入に貢献している反面、再エネ賦課金という形ですでに環境価値への対価が支払われているという理由で、100%再生可能エネルギーとして認められていません。これに対して、電気の価値と環境価値を融合させたのが非FIT電気です。Non-FIT電気の場合、発電した電気を誰かが買い取る義務はありません。非FIT発電所でつくられた電気は100%再生可能エネルギーとして認定されます。このように非FITのメリットが見えてきたいま、国の方針もFIT法の縮小(補助金減)に進み、再生可能エネルギー事業者もFIT法に依存しない非FITへの展開を見据えています。
非FIT発電所が「RE100」基準の電力供給を可能にする
いま、国内外の主要な企業が、事業活動で使用するすべてのエネルギーを再生可能エネルギーによって調達することを目標とする国際的イニシアチブ「RE100(Renewable Energy 100%)」に加盟し、サプライチェーンも含めて積極的に再生可能エネルギーの導入を推進しています。また、企業の株主や投資家が、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視し、選別して投資する傾向にあるなど、世界中で脱炭素社会への移行が加速しています。環境価値が認められている非FIT発電の重要性は、今後さらに高まると予想されます。